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2015年8月21日更新 | 一般財団法人 日本税務協会

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(1)

行政手続における特定の個人を識別する

ための番号の利用等に関する法律の施行

に伴う国税通則法等の改正

(平成28年 1 月マイ

ナンバー利用開始)

はじめに

 平成25年の第183回通常国会において、「行政手 続における特定の個人を識別するための番号の利 用等に関する法律(平成25年法律第27号。以下 「番号法」といいます。)」については、同法に係 る税制上の措置を含む「行政手続における特定の 個人を識別するための番号の利用等に関する法律 の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平 成25年法律第28号。以下「番号整備法」といいま す。)」等の関連法とともに、平成25年 5 月24日に 参議院本会議で可決・成立し、同月31日に公布さ れています。

 この番号整備法においては、国税通則法等の税 法の改正が行われ、納税者が税務署長に提出する 確定申告書等の税務関係書類に個人番号(マイナ ンバー)又は法人番号(この 2 つを合わせて示す 場合には、以下単に「番号」といいます。)を記 載するための措置が講じられています。

 これらの税法改正に係る次の関係政令にあって は平成26年 5 月14日及び平成27年 3 月31日に、関 係省令にあっては平成26年 7 月 9 日及び平成27年

3 月31日に、それぞれ公布されています。 ・ 行政手続における特定の個人を識別するため

の番号の利用等に関する法律及び行政手続にお ける特定の個人を識別するための番号の利用等 に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に 関する法律の施行に伴う財務省関係政令の整備 に関する政令(平成26年政令第179号) ・ 行政手続における特定の個人を識別するため

の番号の利用等に関する法律及び行政手続にお ける特定の個人を識別するための番号の利用等 に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に 関する法律の施行に伴う財務省関係政令の整備 に関する政令の一部を改正する政令(平成27年 政令第155号)

・ 租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法 及び地方税法の特例等に関する法律の施行に関

目    次

一 番号法制定(マイナンバー制度導入) の趣旨 �������������� 1020 二 番号法(マイナンバー制度)の概要  1021 1  マイナンバーの指定・交付 ��� 1021 2  マイナンバーの利用 ������ 1021 3  マイナンバーの提供(要求)・本人

確認 �������������� 1022 4  マイナンバーの安心・安全の確保  1023

5  情報連携(情報提供ネットワークシ ステム) ������������ 1025 6  番号法の施行関係 ������� 1025 三 国税通則法等の改正������� 1025 1  税法改正の概要(全体像) ��� 1025 2  国税通則法の改正(番号整備法11、

12) �������������� 1028 3  国税通則関係の申請書・届出書等の

(2)

する省令の一部を改正する省令(平成26年総務 省・財務省令第 4 号)

・ 相続税法施行規則の一部を改正する省令(平 成26年財務省令第49号)

・ 資産再評価法施行規則の一部を改正する省令 (平成26年財務省令第50号)

・ 租税特別措置法施行規則等の一部を改正する 省令(平成26年財務省令第51号)

・ 国税通則法施行規則の一部を改正する省令 (平成26年財務省令第52号)

・ 所得税法施行規則の一部を改正する省令(平 成26年財務省令第53号)

・ 法人税法施行規則等の一部を改正する省令 (平成26年財務省令第54号)

・ 減価償却資産の耐用年数等に関する省令の一 部を改正する省令(平成26年財務省令第55号) ・ 石油ガス税法施行規則の一部を改正する省令

(平成26年財務省令第56号)

・ 遺産、相続及び贈与に対する租税に関する二 重課税の回避及び脱税の防止のための日本国と アメリカ合衆国との間の条約の実施に伴う相続 税法の特例等に関する法律の施行に関する省令 の一部を改正する省令(平成26年財務省令第57 号)

・ 消費税法施行規則の一部を改正する省令(平 成26年財務省令第58号)

・ 地価税法施行規則の一部を改正する省令(平 成26年財務省令第59号)

・ 内国税の適正な課税の確保を図るための国外 送金等に係る調書の提出等に関する法律施行規 則の一部を改正する省令(平成26年財務省令第 60号)

・ 電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿 書類の保存方法等の特例に関する法律施行規則 の一部を改正する省令(平成26年財務省令第61 号)

・ 額面株式の株券の無効手続に伴い作成する株 券に係る印紙税の非課税に関する省令の一部を 改正する省令(平成26年財務省令第62号) ・ 国税関係法令に係る行政手続等における情報

通信の技術の利用に関する省令の一部を改正す る省令(平成26年財務省令第63号)

・ 租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法 及び地方税法の特例等に関する法律に基づく租 税条約に基づく認定に関する省令の一部を改正 する省令(平成26年財務省令第64号)

・ 租税特別措置の適用状況の透明化等に関する 法律施行規則の一部を改正する省令(平成26年 財務省令第65号)

・ 東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律 の臨時特例に関する法律施行規則の一部を改正 する省令(平成26年財務省令第66号)

・ 復興特別所得税に関する省令の一部を改正す る省令(平成26年財務省令第67号)

・ 地方法人税法施行規則の一部を改正する省令 (平成26年財務省令第68号)

・ 租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法 及び地方税法の特例等に関する法律の施行に関 する省令の一部を改正する省令(平成27年総務 省令・財務省令第 3 号)

・ 所得税法施行規則等の一部を改正する省令 (平成27年財務省令第22号)

・ 租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法 及び地方税法の特例等に関する法律に基づく租 税条約に基づく認定に関する省令の一部を改正 する省令(平成27年財務省令第29号)

・ 租税特別措置法施行規則等の一部を改正する 省令(平成27年財務省令第30号)

 以下では、これらの法令改正の概括的な内容に ついて、説明することとします。

(参考 1 ) 「社会保障・税番号大綱―主権者たる国 民の視点に立った番号制度の構築―」(政 府・与党社会保障改革検討本部 平成23 年 6 月30日)(抄)

第 2  基本的な考え方 1 .番号制度の導入の趣旨

(3)

きないまでも少しでも緩和できないか という問題意識を発端としつつ、まずは、 制度の枠組みを超えて社会保障制度や 税制を一体的に捉え、社会保障給付の 効率性・透明性・公平性を高めようと いう観点から、それらのために必要な 基盤として導入が検討されているもの である。

 すなわち、番号制度の目的は、正確 な本人確認を前提に、 3 .⑴で定義す る「番号」(以下「番号」という。)を 活用して所得等の情報を把握し、それ らの情報を社会保障や税の分野で効果 的に活用するとともに、IT化を通じ効 率的かつ安全に情報連携を行える仕組 みを国・地方で連携し協力しながら整 備することにより、国民生活を支える 社会的基盤を構築することである。  このような番号制度の活用により、 所得情報の正確性を向上させることが でき、それをベンチマークとして、社 会保障制度や税制において、国民一人 ひとりの所得・自己負担等の状況に応 じたよりきめ細やかな制度設計が可能 となり、ひいてはより適切な所得の再 分配を行うことができるようになる。 また、低所得者対策として、医療・介 護等に係る自己負担を抑制するための 2 .⑴①で定義する「総合合算制度(仮 称)」を導入することも可能となる。そ の結果、真に手を差し伸べるべき者に 対する社会保障の充実や、負担・分担 の公正性の確保、各種行政事務の効率 化が実現できる。

 さらに、IT化された情報連携システ ムの範囲をより拡大した場合には、自 らの利用する医療・介護等の社会保障 サービスに関する情報の入手・活用が 可能になるとともに、様々な手続の簡 素化やオンライン閲覧等行政の電子化

にもつながるものであることから、国 民の利便性の更なる向上も実現できる。 また、個人の匿名性を確保した上で診 療情報等の二次利用を行えば、医療統 計データの効率的な収集が可能となり、 医学の向上にも資することとなる。 2 .番号制度で何ができるのか

⑵ 所得把握の精度の向上等の実現に関 するもの

 法令又は条例に基づき税務当局が行 う国税・地方税の賦課・徴収に関する事 務(申告書の処理、調査等)に「番号」 及び法人等に付番する番号(第 3 ⅩⅢ に規定するもの。以下「法人番号」と いう。)を活用する。このことにより、 例えば、税務当局が取得する各種所得 情報や扶養情報について、「番号」又は 「法人番号」を用いて効率的に名寄せ・ 突合することが可能となり、より正確 な所得把握に資する。

 このような対応が可能となるよう、 税務当局に提出される既存の申告書・ 法定調書等については、その提出者(申 告を行う者、法定調書の提出義務者等) に対し、提出者本人及び記載項目とさ れている第三者(扶養控除の対象者、 給与等の支払を受ける者等)に係る「番 号」又は「法人番号」の記載を求める こととする。なお、今後「番号」又は 「法人番号」の記載の具体的な開始時期、

正しい「番号」の告知や本人確認の担 保方法等について検討を進める。また、 番号制度の導入趣旨を踏まえ、諸外国 の事例も参考として、法定調書の拡充 についても検討を進める。

⑷ 自己の情報の入手や必要なお知らせ 等の情報の提供に関するもの

(4)

覧可能となり、必要なサービスを受け やすくなるなど国民の利便が高まる。 具体的には、以下のような情報提供が 想定される。

・ 各種社会保険料(年金・医療保険・ 介護保険・雇用保険)

・ サービスを受けた際に支払った費 用(医療保険・介護保険等の費用、 保育料等)

・ 福祉サービスを受給している者に 対する制度改正等のお知らせ ・ 自己の過去の税務申告や納付履歴

に関する情報

・ 確定申告等を行う際に参考となる 情報

⑸ 事務・手続の簡素化、負担軽減に関 するもの

 国・地方公共団体等間で、申請等に 必要な情報を適時にやり取りすること で、事務・手続の簡素化が図られ、国 民及び国・地方公共団体等の負担が軽 減され、利便が高まる。

① 添付書類の削減等

 国民が申請・申告等をする場合に必 要な行政機関が発行する書類の添付 を省略化すること等で、国民の利便 が高まるとともに、各機関の事務コ ストも削減できる。具体的には、現 時点の制度(時限立法措置によるも のも含む。)を前提として、以下のよ うなものが想定される。

【住民票の添付が省略される手続の例】  番号制度を契機に、住民基本台帳ネ ットワークシステム(以下「住基ネッ ト」という。)を活用することにより、 以下の手続における住民票の添付を省 略することも想定される。

○ 税務分野

・ 住宅借入金等(特定増改築等住 宅借入金等を含む。)を有する場合

の特別控除に係る所得税の確定申 告手続

・ 居住用財産を譲渡した場合の長 期譲渡所得の課税の特例に係る所 得税の確定申告手続

・ 居住用財産の譲渡所得の特別控 除に係る所得税の確定申告手続 ・ 既存住宅に係る特定の改修工事

をした場合の特別税額控除に係る 所得税の確定申告手続

・ 認定長期優良住宅の新築等をし た場合の特別税額控除に係る所得 税の確定申告手続

・ 特定の居住用財産の買換え等の 場合の譲渡損失の損益通算及び繰 越控除の特例に係る所得税の確定 申告手続

・ 居住用財産の買換えの場合の長 期譲渡所得の課税の特例に係る所 得税の確定申告手続

・ 特定居住用財産の譲渡損失の損 益通算及び繰越控除の特例に係る 所得税の確定申告手続

・ 特定の居住用財産を交換した場 合の長期譲渡所得の課税の特例に 係る所得税の確定申告手続 ・ 小規模宅地等の特例に係る相続

税の申告手続

・ 相続時精算課税選択届出に係る 贈与税の申告手続

・ 配偶者控除の特例に係る贈与税 の申告手続

・ 住宅取得等資金の非課税制度に 係る贈与税の申告手続

③ 法定調書の提出に係る事業者負担 の軽減

(5)

子的な提出状況を踏まえ、電子的な 提出先を一か所とするなど事業者負 担の軽減が実現できるとともに、各 機関の事務コストも削減できる。 7 .今後の進め方

⑷ 今後のスケジュール

 番号制度の導入時期は制度設計や法 案の成立時期により今後変わり得るが、 以下を目途とする。

 番号制度が円滑に施行されるよう、 システム技術等の活用に当たっては、 既存インフラとの整合性、将来の維持 管理コスト、制度や業務要件等の可変 性等を十分に考慮しながら弾力性を担 保しつつ取り組むことが必要である。 ア 平成23年(2011年)秋以降、可能

な限り早期に番号法案及び関係法律 の関係法案を国会に提出する。 イ 法案成立後、可能な限り早期に第

三者機関を設置し、業務を開始する。 ウ 平成26年(2014年) 6 月、個人に

「番号」、法人等に「法人番号」を交 付する。

(※) 後記第 3 ⅩのICカードについ ては、確実な本人確認の実施や 国民の利便性の向上を図る観点 から、導入や更新等に伴う種々 のコストも勘案しつつ、国民へ の交付の在り方を検討

エ 平成27年(2015年) 1 月以降、「番 号」を利用する分野のうち、社会保 障分野、税務分野のうち可能な範囲 で「番号」の利用を開始する。 オ 平成30年(2018年)を目途にそれ

までの番号法の執行状況等を踏まえ、 利用範囲の拡大を含めた番号法の見 直しを行うことを引き続き検討する。 第 3  法整備

Ⅲ 「番号」を告知、利用する手続の範囲  国民が「番号」を告知、利用する手続

については、当面、以下の各分野に掲げ る範囲を念頭に置きつつ、さらに法案策 定までに精査する。

6 .税務分野 ⑴ 国税

・ 国税に関する法令の規定に基づき 税務署長等に提出する書類への記載 及びこれに係る利用その他番号法の 授権に基づく政省令で定める利用  具体的には、本人及び税務代理人 等が税務署長等に提出する確定申告 書や法定調書等の書類に「番号」を 記載することや、このために必要な 事務に「番号」を用いることがこれ に該当する。

・ 国税に関する法令の規定に基づき、 税務職員等が適正かつ公平な国税の 賦課及び徴収のために行う事務に係 る利用その他番号法の授権に基づく 政省令で定める利用

 具体的には、税務職員等による申 告書の処理、調査等に係る事務に「番 号」を用いることがこれに該当する。

(参考 2 ) 「平成24年度税制改正大綱」(平成23年 12月10日閣議決定)(抄)

第 3 章 平成24年度税制改正 8 .検討事項

〔国税・地方税共通〕

⑺ 社会保障・税に関わる共通番号制度 の導入に伴い税務分野において必要と なる対応については、「社会保障・税番 号大綱」(平成23年 6 月30日政府・与党 社会保障改革検討本部決定)を踏まえ、 「番号法案」の具体化を受けて検討を行

います。

(参考 3 ) 「社会保障・税一体改革大綱」(平成24年 2 月17日 閣議決定)(抄)

第 2 部 税制抜本改革

(6)

 社会保障・税番号制度の導入に伴い、 税務分野において番号制度の適正な利用 を確保するためには、納税者や事業者の 方々に申告書や法定調書に「番号」を記 載して頂くといった手続が必要となる。 これらについては、平成24年通常国会に 提出した「行政手続における特定の個人 を識別するための番号の利用等に関する 法律」(以下「マイナンバー法」という。) の整備法において、所要の措置を講ずる こととする。

第 4 章 税制抜本改革における各税目の改 正内容等

5 .その他

 社会保障・税番号制度の導入に伴う税 制上の対応については、平成24年通常国 会に提出したマイナンバー法の整備法に おいて、次に掲げる所要の措置を講ずる。 ① 申告書・法定調書等の税務関係書類

の記載事項に、その提出者(納税者・ 法定調書提出者等)及び一定の者(控 除対象となる配偶者等、法定調書の対 象となる支払を受ける者等)に係る「番 号」(個人番号又は法人番号をいう。以 下同じ。)を追加する。

② 法定調書の対象となる金銭の支払を 受ける者等が告知すべき事項に「番号」 を追加する。

③ 告知を受けた者が本人確認すべき事 項に「番号」を追加するとともに、本 人確認書類の範囲に「番号カード」及 び「番号の記載のある住民票の写し」 等を追加する。

④ その他所要の規定の整備を行う。 (注 1 ) 上記の改正は、原則として、マ

イナンバー法における「番号」の 利用開始日以後の課税期間等に係 る申告書、同日以後に提出すべき 申請書等並びに同日以後の支払等 に係る法定調書及び告知・本人確

認について適用する。ただし、所 要の経過措置を講ずる。

(注 2 ) 以上につき別紙 3 参照。 【別紙 3 】社会保障・税番号制度導入に伴う

税制上の対応

 社会保障・税番号制度の導入に伴う税 制上の対応については、平成24年通常国 会に提出した「行政手続における特定の 個人を識別するための番号の利用等に関 する法律」(以下「マイナンバー法」とい う。)の整備法等において、次に掲げる所 要の措置を講ずる。

⑴ 申告書・法定調書等の記載事項への 「番号」の追加

① 税務署長等に提出する申告書等の 記載事項

イ 税務署長、国税局長、国税庁長 官及び国税不服審判所長又はその 職 員( 以 下「 税 務 署 長 等 」 と い う。)に提出する申告書、申請書、 届出書その他の税務関係書類(所 得税法、相続税法等に規定する調 書等(以下「法定調書」という。) を 除 く。 以 下「 申 告 書 等 」 と い う。)に記載すべき事項に、次に掲 げる者の「番号」(個人番号及び法 人番号をいう。以下同じ。)を追加 する。

イ 当該申告書等を提出する者 ロ 申告書等に記載された所得税

の控除対象となる配偶者及び扶 養親族

ハ 申告書等に記載された青色事 業専従者及び白色事業専従者 ニ その他氏名等が申告書等の記

載事項となっている者

(7)

務者等が、当該申告書等に記載す べき事項の範囲に、当該源泉徴収 義務者等の「番号」を追加する。 ② 税務署長に提出すべき法定調書の

記載事項

 税務署長に提出すべき法定調書の 記載事項に、法定調書の提出義務者、 法定調書の対象となる金銭等の支払 等を受ける者その他法定調書に記載 すべき者(生命保険契約に基づく契 約者等)の「番号」を追加する。 ③ 税務署長等以外の者に提出する税

務関係書類の記載事項

 税務署長等以外の者(源泉徴収義 務者等)に提出する税務関係書類(非 課税貯蓄申込書等)に記載すべき事 項に、当該税務関係書類を提出する 者の「番号」を追加する。

④ 地方公共団体に提出する申告書等 の記載事項

 地方公共団体に提出する申告書等 に記載すべき事項に、次に掲げる者 の「番号」を追加する。

イ 当該申告書等を提出する者 ロ 申告書等に記載された個人住民

税の控除対象となる配偶者及び扶 養親族

ハ 申告書等に記載された青色事業 専従者及び白色事業専従者 ニ その他氏名等が申告書等の記載

事項となっている者

⑤ 地方公共団体に提出すべき給与支 払報告書等の記載事項

 地方公共団体に提出すべき給与支 払報告書等の記載事項に、給与支払 報告書等の提出義務者、給与支払報 告書等の対象となる給与等の支払を 受ける者その他給与支払報告書等に 記載すべき者の「番号」を追加する。 ⑵ 告知及び本人確認すべき事項への「番

号」の追加等

① 申告書等の提出の際に告知及び本 人確認すべき事項への「番号」の追 加

 上記⑴①ロの申告書等を提出する 者が源泉徴収義務者等に告知すべき 事項及び当該告知を受けた者が本人 確認すべき事項に、当該申告書等を 提出する者の「番号」を追加する。 ② 法定調書の対象となる金銭等の支

払等の際に告知及び本人確認すべき 事項への「番号」の追加

 法定調書の対象となる金銭等の支 払等を受ける者がその金銭等の支払 等をする者に告知すべき事項(告知 書に記載して提出すべき事項を含 む。)及び当該告知を受けた者が本人 確認すべき事項に、当該金銭等の支 払等を受ける者の「番号」を追加する。 ③ 本人確認書類の整備

 告知及び本人確認を行う際に提示 すべき本人確認書類について、次に 掲げる者の区分に応じ、それぞれ次 に定めるものを追加する。

イ 「個人番号」が付番された個人  番号カード又は番号の記載のある 住民票の写し

ロ 「法人番号」が付番された法人等  国税庁長官が発行した法人番号の 通知書等

⑶ その他所要の規定の整備を行う。 ⑷ 施行時期

① 原則

(8)

同日以後の相続又は遺贈に係る相続 税の申告書、同日以後に開始する課 税期間等に係る消費税等の申告書、 同日以後に提出すべき申請書、届出 書その他の税務関係書類(申告書及 び法定調書を除く。)並びに同日以後 の金銭等の支払等に係る法定調書及 び告知・本人確認について適用する。 ② 経過措置

 法定調書の対象となる金銭等の支 払等のうち、番号利用開始日前の契 約の締結等の際に既に告知及び本人 確認しているため当該契約の締結等

の日以後の金銭等の支払等の都度、 告知及び本人確認することを要しな いこととされているものに係る「番 号」の告知及び本人確認については、 上記①にかかわらず、番号利用開始 日から 3 年を経過する日後の最初の 金銭等の支払等の時までに行うこと ができることとする。また、当該期 間内に提出すべき当該金銭等の支払 等に係る法定調書については、「番 号」の告知及び本人確認が行われな い限り、当該法定調書に記載すべき 事項のうち「番号」の記載は要しない。

一 番号法制定(マイナンバー制度導入)の趣旨

 個人番号(以下「マイナンバー」といいます。) は、番号法に基づき、住民票を有する全員(法人 番号については、法人等)に指定されるものです (番号法 2 ⑤、58①②)。現在、国の機関、地方公 共団体、健康保険組合等の民間組織など行政事務 を担う主体は多岐にわたり、それぞれ国民、住民 又は被保険者等に関する個人情報を保有していま す。現状においては、同姓同名の者が存在する場 合や年度途中に引越しを行った者については、同 一人であることの識別に手間がかかり正確かつ効 率的な名寄せが困難な場面もあるところですが、 マイナンバー制度の導入により、同一人であるこ とを正確に識別することができ、行政事務の効率 化を図ることが可能となると考えられます。  このようにマイナンバー制度は、正確かつ効率 的な名寄せ、行政事務の効率化及び複数の機関に 存在する個人の情報を正確に連携することを可能 とする基盤であり、これにより、社会保障・税制 度の効率性・透明性を高め、国民にとって利便性 の高い公平・公正な社会を実現することを目的と

して導入されるものです。

 マイナンバー制度の施行については、平成27年 10月 5 日から番号の指定・通知、平成28年 1 月 1 日から個人番号カードの交付が開始されるととも に、順次、マイナンバーの利用が開始されます。 そして、平成29年 1 月(予定)から国の機関間に おいて情報提供ネットワークシステム(後述の 「5 情報連携(情報提供ネットワークシステ ム)」を参照)を利用した情報連携とともに、マ イナポータルの運用が開始する予定とされていま す(番号法附則 1 )。

(9)

二 番号法(マイナンバー制度)の概要

1  マイナンバーの指定・交付

⑴ 個人番号(マイナンバー)

 マイナンバーは、①悉皆性(住民票を有する 全員に指定)、②唯一無二性( 1 人 1 番号で重 複のないように指定)、③視認性(目で見て確 認できること)といった要素を備え、最新の基 本 4 情報(氏名、住所、性別、生年月日)と関 連付けられた12桁の番号とされています。行政 事務において用いられるものであることから、 行政事務の対象となる①住民票を有する国民全 員及び②住民票を有する中長期在留者や特別非 永住者等の外国籍の者に対して指定され、住民 基本台帳に記載されることとされています。住 民票を有する全ての者に指定されますので、出 生届を行い、市町村により住民基本台帳に記載 されると、マイナンバーが指定され、市町村か ら「通知カード」というマイナンバーが記載さ れたカードが郵送されることとなります(番号 法 7 ①、附則 3 ①~③、住民基本台帳法 7 八の 二)。

 このマイナンバーについては、原則として生 涯不変の番号であるからこそ個人を正確に特定 することができるものであり、特定の個人を識 別する機能を担保する観点から、原則として本 人の希望による変更は認められませんが、不正 利用防止の観点から、マイナンバーが漏洩して 不正に用いられる恐れがあると認められる場合 には、マイナンバーを変更することができるこ ととされています。また、本人からの変更請求 を待っていたのでは対策が後手に回る可能性も あることから、マイナンバーの変更は本人から の請求のみでなく市町村長の職権によっても行 うことができ、市町村長は本人による請求又は その職権により、新たなマイナンバーを指定し、 通知カードにより通知することとされています (番号法 7 ②)。

 また、希望する者に対しては、「個人番号カ ード」が市町村から発行されます(番号法17 ①)。この個人番号カードには、券面に氏名、 住所、生年月日、性別、マイナンバーが記載さ れるほか本人の写真が表示され(番号法 2 ⑦)、 マイナンバーの本人確認(下記3 ⑵参照)が必 要となる際に、利用できるものとなっています。

⑵ 法人番号

 法人番号は、①悉皆性、②唯一無二性、③視 認性といった要素を備えた13桁の番号とされ、 ①設立登記法人、②国の機関、③地方公共団体 のほか、④これら以外の法人又は人格のない社 団等であって法人税・消費税の申告納税義務又 は給与等に係る所得税の源泉徴収義務を有する こととなる団体に対して、国税庁長官が指定・ 通知することとされています(番号法 2 ⑮、58 ①)。また、これら以外の法人又は人格のない 社団等でも一定の要件を満たす場合には、国税 庁長官に届け出ることによって法人番号の指定 を受けることができます(番号法58②)。  なお、法人番号は 1 法人に対し 1 番号のみ指 定されますので法人の支店や事業所等には指定 されず、また、法人ではない個人事業者に対し ても指定はされません。

2  マイナンバーの利用

⑴ 個人番号(マイナンバー)

(10)

①マイナンバーを利用する主体及び②マイナン バーを利用する事務のそれぞれにつき限定列挙 されています(番号法 9 、別表第一)。  マイナンバーを利用する主体については、① 個人番号利用事務実施者と②個人番号関係事務 実施者(①②を合わせて以下「個人番号利用事 務等実施者」といいます。)とに大別されます。 ①個人番号利用事務実施者は、国の機関や地方 公共団体など別表第一に掲げられた主体(例え ば、国税関係事務における国税庁長官(税務署 等)にあっては、同表の第38号に掲名)とされ ています(番号法 2 ⑩⑫、 9 ①②)。②個人番 号関係事務実施者は、法令又は条例の規定によ り他人のマイナンバーを記載した書面の提出な どが必要とされている場面において間接的にマ イナンバーを取り扱う者とされています(番号 法 2 ⑪⑬、 9 ③)。この個人番号関係事務実施 者の例としては、所得税法第226条の規定に基 づく給与の源泉徴収票の提出の場面においては、 事業主がその雇用する従業員に関する給与等の 情報を税務署へ提出することとされているとこ ろ、税務署において所得税に関する個人番号利 用事務を実施するため、給与の源泉徴収票に従 業員のマイナンバーを記載することが求められ ており(所規93、別表第六㈠)、事業主におい ては、従業員のマイナンバーを取り扱うことか ら、個人番号関係事務実施者として位置付けら れることになります。

 マイナンバーを利用する事務については、① 個人番号利用事務と②個人番号関係事務とに大 別されます。①個人番号利用事務は、個人番号 利用事務実施者が行う事務であり、番号法上、 年金の給付・保険料の徴収、失業等給付の支給、 労災保険給付の支給、健康保険給付の支給・保 険料の徴収、予防接種の実施、児童手当の支給、 国税・地方税の賦課徴収の事務等が列挙されて います(番号法 2 ⑩、 9 ①②、別表第一)。② 個人番号関係事務は、個人番号利用事務が実施 されるために関係する手続等をいうこととされ、 具体例としては、健康保険被保険者の資格取得

のために民間事業者が従業員のマイナンバーを 日本年金機構へ届け出る場合や、国税の賦課の ための資料として税務署へ給与の源泉徴収票な どの法定調書を提出する場合等が該当すること とされています(番号法 2 ⑪、 9 ③)。

⑵ 法人番号

 法人番号は、個人番号と異なり、自由に流通 させることができ、官民を問わず様々な用途で 利用可能とされています。そのため、番号法に おいては、法人番号の指定を受けた者を識別す るために必要な情報提供手段として、国税庁長 官が、原則として法人番号の指定を受けた者の ①商号又は名称、②本店又は主たる事務所の所 在地、及び③法人番号を公表することとされて おり(番号法58④前段)、これを受け、国税庁 においては、これらの 3 情報について検索・ダ ウンロードが可能なサービスをインターネット (法人番号の公表サイト)で提供することとな

っています。

3  マイナンバーの提供(要求)・本人確

⑴ マイナンバーの提供(要求)

 特定個人情報が不正提供されると様々な情報 が転々流通していき、本人の意図しない方法で 利用・拡散される恐れがあります。そのため、 番号法においては、特定個人情報を提供できる 場合について、本人が個人番号利用事務等実施 者に対して特定個人情報を提供する場合を限定 列挙し、それ以外の提供を禁止しています(番 号法19)。

(注) 上記の提供制限と対応する形で、番号法19 条各号に基づき提供を受けられる場合を除き、 他人に対してマイナンバーの提供要求が禁止 されています(番号法15)。

(11)

らマイナンバーを取得する必要があることから、 事業主が従業員にマイナンバーの提供要求を行 い、それに応じて、従業員が事業主にマイナン バーを提供するといった場合が該当します。

⑵ マイナンバーの本人確認

 番号法においては、マイナンバーを取り扱う 者は、本人からマイナンバーの提供を受ける場 合には、その本人であることを確認することが 義務付けられています(番号法16)。なお、マ イナンバーのみによる本人確認は認められない こととされていますが、これは、マイナンバー が視認性のある番号とされていることから、マ イナンバーのみによって本人確認の手続が進め られるとなりすましが容易となるため、不正受 給等を防止するために措置されているものです。  上記の本人確認の措置は、市町村や税務署の 窓口などマイナンバーを利用する国の機関や地 方公共団体において、マイナンバーが記載され た申請書等を受け付ける際に、その実施が義務 付けられます。また、上記で述べた具体的な 場面のように、健康保険被保険者取得届や給与 の源泉徴収票の提出など、社会保険や税務の手 続を行う民間事業者に対しても、本人確認の実 施が義務付けられています。

 なお、この本人確認措置が簡易に行えるよう、 上記1 ⑴で述べたように、市町村から希望する 者に対して「個人番号カード」を発行すること とされています。この個人番号カードの提示を 受けることにより、券面の基本 4 情報及び本人 の写真から本人であることの確認を行うととも に、マイナンバーの確認を併せて行うことがで きることとなります(番号法16)。

4  マイナンバーの安心・安全の確保

⑴ 個人番号(マイナンバー)

 マイナンバー制度の導入後においては、集 積・集約された個人情報が外部に漏洩するので はないか、不正利用等により財産に被害を負う のではないか、国家により個人の様々な情報が

一元管理されるのではないかといった懸念が生 じるのではないかと考え得るところです。特定 個人情報は、現行の個人情報の保護に関する法 律(平成15年法律第57号。以下「個人情報保護 法」といいます。)上の個人情報に該当するた め、「行政機関」には行政機関の保有する個人 情報の保護に関する法律(平成15年法律第58号。 以下「行政機関個人情報保護法」といいます。) が、「独立行政法人等」には独立行政法人等の 保有する個人情報の保護に関する法律(平成15 年法律第59号。以下「独立行政法人等個人情報 保護法」といいます。)が、「民間事業者」には 個人情報保護法が、「地方公共団体」には各個 人情報保護条例が、それぞれ適用されることと なります。マイナンバー制度においては、上記 のような懸念に対応するため、特定個人情報の 取扱いについてこれら一般法の特例を番号法で 定め、特定個人情報に対してより一層の個人情 報保護のための各種措置が講じられており、① 利用に係る措置、②提供に係る措置、③収集・ 保管に係る措置、④罰則の強化により、制度の 安心・安全の確保を図ることとされています。 ① マイナンバーの利用に係る措置(利用範囲

の限定)

 マイナンバーが様々な事務で利用されると、 多様な個人情報がマイナンバーを用いて連結 され、不正に検索・蓄積される危険性が高ま る恐れがあります。上記2 ⑴でも述べたよう に、マイナンバー制度については、こうした 個人情報の漏洩や不正利用などの国民の懸念 を踏まえ、①社会保障分野、②税分野及び③ 災害対策の分野において導入することとされ ています。また、これら 3 分野であればあら ゆる事務においてマイナンバーを利用できる とするのではなく、マイナンバーを利用でき る主体及び事務についても、法令又は条例に おいて限定列挙されています(番号法 9 、別 表第一)。

(12)

 特定個人情報が不正提供されると、様々な 情報が転々流通し、本人の意図しない方法で 利用・拡散される恐れがあります。そのため、 番号法においては、上記3 ⑴でも述べたよう に、特定個人情報を提供できる場合を限定列 挙し、それ以外の提供を禁止しています(番 号法19)。また、この提供制限と対応する形 で、番号法第19条各号に基づき提供を受けら れる場合を除き、他人に対してマイナンバー の提供要求が禁止されています(番号法15)。 ③ マイナンバーの収集・保管に係る措置

 番号法においては、上記②の提供要求制限 と同様、番号法第19条各号に基づき提供を受 けられる場合を除き、他人の特定個人情報の 収集・保管が禁止されるとともに(番号法 20)、特定個人情報ファイル(個人番号をそ の内容に含む個人情報ファイルをいいます。 番号法 2 ④⑩)の作成は個人番号利用事務等 を処理するために必要な範囲を超えて行って はならないこととされています(番号法28)。  また、個人番号利用事務等を処理する者は、 マイナンバーの安全管理措置が義務付けられ ています。事業主においては、従業員やその 家族のマイナンバーを取り扱うこととなるた め、個人番号関係事務実施者として、マイナ ンバーの漏洩、滅失又は毀損の防止その他の マイナンバーの適切な管理のために必要な措 置を講じることが義務付けられることとなり ます(番号法12)。

④ 罰則の強化

 番号法においては、マイナンバーの不正取 得などの不正行為に対して厳格な対処を行う ため、個人情報保護法、行政機関個人情報保 護法、独立行政法人等個人情報保護法、住民 基本台帳法等よりも、罰則が強化されていま す。特に個人情報保護法では、不正行為を行 った者に対して直接罰則が科されず、主務大 臣の命令に違反し、又は主務大臣の報告徴収 に応じず、若しくは虚偽報告をした者に対し 罰則が科される間接罰が採用されていますが、

番号法においては、直接罰規定が設けられて います。また、行政機関個人情報保護法、独 立行政法人等個人情報保護法及び住民基本台 帳法においては、個人情報保護法とは異なり、 直接罰規定が設けられていますが、番号法に おいては、これらの規定よりも法定刑を引き 上げ、かつ、これらの規定にない行為類型に 対しても罰則規定を設けています(番号法67 等)。

 また、特定個人情報保護委員会が新たに設 けられ、特定個人情報の適正な取扱いを確保 するために必要な監視・監督を行うこととさ れているほか(番号法36等)、不正行為抑止 の観点から情報提供ネットワークシステムを 介した特定個人情報へのアクセス記録を本人 自ら確認できる仕組み(情報提供等記録開示 システム)を構築することとされています (番号法附則 6 ⑤)。

⑵ 法人番号

 法人番号及び法人番号の指定を受けた者の名 称や所在地情報は、原則公開されるものであり、 特定法人情報(法人番号の指定を受けた者に関 する情報であって法人番号により検索すること ができるものをいいます。以下同じです。)に ついては、以下の 2 点を除き、特段の保護措置 を設けないこととされています。

(13)

範囲内で、保有する特定法人情報が過去又は現 在の事実と合致するよう努めなければならない ものとされています(番号法61)。

5  情報連携(情報提供ネットワークシス

テム)

 異なる分野・異なる機関とのマイナンバーを活 用した情報連携の促進を図るため、番号法におい ては、情報提供ネットワークシステムが設けられ ています(番号法21①)。この情報提供ネットワ ークシステムは、年金事務所や市町村など番号法 別表第二に掲げられた機関の使用に係る電子計算 機を相互に電気通信回線で接続したシステムであ って、暗号その他の内容を容易に復元することが できない通信の方法を用いて行われる情報連携を 管理するために、総務大臣が設置し、及び管理す るものとされています(番号法 2 ⑭)。

 情報提供ネットワークシステムを利用すること で、例えば、社会保障給付の申請を受けた機関は、 給付要件を審査するため市町村の保有する所得額 情報の提供を受けることができることとなります。 住民にとっては給付申請等の行政手続において、 所得証明書等の添付書類を用意する必要がなくな り、行政機関にとっても情報授受の迅速化・確実 化が図られるものと考えられます。

 この情報連携に当たっては、個人情報保護の観 点から、マイナンバーを直接使用せず、情報提供 ネットワークシステムにより振り出されるマイナ ンバーに対応した符号を利用して行うこととされ ており、同一の個人に関するものであっても、情 報保有機関ごとに別の符号を割り当て、情報提供 ネットワークシステムにおいて符号の変換・紐付 けが行われることとなります。また、個人情報の 管理は分散管理の方法によることとされており、

具体的には、個人情報を特定の主体において一元 管理するのではなく、従来どおり各機関が保有す ることとし、他の機関の保有する個人情報が必要 となった場合には、この情報提供ネットワークシ ステムを使用して、情報の照会・提供を行うこと ができることとされています。

 なお、法人番号にあっては、上記4 ⑵のとおり 原則として広く一般に公開されるものであること から、マイナンバーと異なり、社会保障・税・災 害対策以外の分野においても自由に情報連携を行 うことができることとなっています。

6  番号法の施行関係

 番号法の施行については、大きく次の 4 段階に 分けられています。

 まず、平成26年 1 月 1 日に、特定個人情報保護 委員会が設置されています(番号法附則 1 二)。  次に、平成27年10月 5 日より、住民票を有する 全住民へのマイナンバーの指定・通知、及び設立 登記法人その他税務上の義務を負う法人等への法 人番号の指定・通知が開始されます(番号法附則

1 柱書)。

 さらに、平成28年 1 月 1 日から個人番号カード の交付が開始されるとともに、順次、社会保障、 税及び災害対策分野の行政事務に関わる手続でマ イナンバーの利用が開始されます(番号法附則 1 四)。

 最後に、平成29年 1 月(予定)から国の機関間 において情報提供ネットワークシステムを利用し た情報連携が開始されるとともに(番号法附則 1 五)、順次、マイナポータルの運用を開始する予 定とされています。

 なお、地方公共団体等との情報連携については、 平成29年 7 月からの予定とされています。

三 国税通則法等の改正

1  税法改正の概要(全体像)

 前述で述べたように、番号法においては、税

(14)

り正確な所得把握に資する観点から、税法に基づ き税務当局が行う国税の賦課・徴収に関する事務 (申告書の処理、調査等)に番号を活用すること

とされています。

 各税法においては、こうした対応が可能となる よう、税務当局に提出される申告書・法定調書等 については、その提出者(申告を行う者、法定調 書の提出義務者等)に対し、提出者本人及び記載 項目とされている第三者(扶養控除の対象者、給 与等の支払を受ける者等)に係る番号の記載を求 めることとするなど、次のような措置を講ずるこ ととされました。

⑴ 申告書・法定調書等の記載事項への番号の追

① 税務署長等に提出する申告書・申請書等 (法定調書を除きます。)の記載事項に、㋑当 該申告書・申請書等を提出する者、㋺控除対 象となる配偶者及び扶養親族、㋩青色事業専 従者及び白色事業専従者、㋥源泉徴収義務者 を経由して申告書(扶養控除等申告書等)を 提出する場合の当該源泉徴収義務者の「番 号」が追加されています。

② 税務署長に提出すべき法定調書の記載事項 に、㋑法定調書の提出義務者、㋺法定調書の 対象となる金銭受領者等、㋩その他法定調書 に記載すべき者(生命保険契約に基づく契約 者等)の「番号」が追加されています。 ③ 税務署長等以外の者(源泉徴収義務者等)

に提出する税務関係書類(非課税貯蓄申込書 等)の記載事項に、当該税務関係書類を提出 する者の「番号」が追加されています。

⑵ 告知事項・本人確認事項への「番号」の追加

① 金銭受領者等がその金銭支払者等に対し税

法上告知すべき事項に、当該金銭受領者等の 「番号」が追加されています。

② 当該告知を受けた者が税法上本人確認すべ き事項に、当該金銭受領者等の「番号」が追 加されています。

⑶ 本人確認書類の整備

 税法上の本人確認書類に、「番号カード」及 び「番号の記載のある住民票の写し」等が追加 されています。

⑷ 施行時期(経過措置)

 番号法における「番号」の利用開始日(平成 28年 1 月 1 日)以後の課税期間等に係る申告書 (同日の属する年分以後の所得税及び贈与税の 申告書、同日以後に開始する事業年度に係る法 人税の申告書、同日以後の相続又は遺贈に係る 相続税の申告書並びに同日以後に開始する課税 期間等に係る消費税等の申告書)、同日以後に 提出すべき申請書等(申告書及び法定調書を除 きます。)並びに同日以後の金銭等の支払等に 係る法定調書及び告知・本人確認について適用 することとされています。

(15)

(参考図表)

(下線:上記の「 3 年の猶予規定」が設けられている法定調書) 所得課税に関するもの

Ⅰ  利子等、配当、収益の分配等に関するもの(注 1 )

1 利子等の支払調書

2 国外公社債等の利子等の支払調書

3 配当、剰余金の分配及び基金利息の支払調書 4 国外投資信託等又は国外株式の配当等の支払調

5 投資信託又は特定受益証券発行信託収益の分配の支払調書 6 オープン型証券投資信託収益の分配の支払調書 7 配当等とみなす金額に関する支払調書

8 名義人受領の利子所得の調書 9 名義人受領の配当所得の調書

10 上場証券投資信託等の償還金等の支払調書 Ⅱ  不動産、株式等の譲渡の対価等に関するもの 11 不動産等の譲受けの対価の支払調書

12 株式等の譲渡の対価等の支払調書 13 交付金銭等の支払調書

14 信託受益権の譲渡の対価の支払調書 15 先物取引に関する支払調書

16 金地金等の譲渡の対価の支払調書 17 名義人受領の株式等の譲渡の対価の調書 18 譲渡性預金の譲渡等に関する調書

19 特定新株予約権等・特定外国新株予約権の付与に関する調書

20 特定株式等・特定外国株式の異動状況に関する調書 21 新株予約権の行使に関する調書

22 株式無償割当てに関する調書

23 外国親会社等が国内の役員等に供与等をした経済的利益に関する調書 24 特定口座年間取引報告書

25 非課税口座年間取引報告書 26 未成年者口座年間取引報告書

27 特定振替国債等の譲渡対価の支払調書

Ⅲ  給付補てん金、利益の分配、償還金、生命・損 害保険契約等に関するもの

28 定期積金の給付補てん金等の支払調書(注 1 ) 29 匿名組合契約等の利益の分配の支払調書 30 生命保険契約等の一時金の支払調書 31 生命保険契約等の年金の支払調書

32 損害保険契約等の満期返戻金等の支払調書 33 損害保険契約等の年金の支払調書

34 無記名割引債の償還金の支払調書 35 特定振替国債等の償還金等の支払調書

Ⅳ  報酬等、使用料等、給与、退職金、公的年金等 に関するもの

36 報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書 37 保険代理報酬の支払調書

38 不動産の使用料等の支払調書

39 不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書

40 給与所得の源泉徴収票(住民税:給与支払報告書)

41 退職所得の源泉徴収票(住民税:退職所得の特別徴収票)

42 公的年金等の源泉徴収票(住民税:公的年金等支払報告書) Ⅴ  非居住者等に関するもの

43 非居住者等に支払われる組合契約に基づく利益の支払調書

44 非居住者等に支払われる人的役務提供事業の対価の支払調書

45 非居住者等に支払われる不動産の使用料等の支払調書

46 非居住者等に支払われる借入金の利子の支払調

47 非居住者等に支払われる工業所有権の使用料等の支払調書

48 非居住者等に支払われる機械等の使用料の支払調書

(16)

49 非居住者等に支払われる給与、報酬、年金及び賞金の支払調書

50 非居住者等に支払われる不動産の譲受けの対価の支払調書 Ⅵ  その他

51 信託の計算書

52 有限責任事業組合等に係る組合員所得に関する計算書 資産課税に関するもの

53 生命保険金・共済金受取人別支払調書

54 損害(死亡)保険金・共済金受取人別支払調書

55 退職手当金等受給者別支払調書

56 保険契約者等の異動に関する調書(注 3 ) 57 信託に関する受益者別(委託者別)調書 58 教育資金管理契約の終了に関する調書

59 結婚・子育て資金管理契約の終了に関する調書 その他

60 国外送金等調書 61 国外証券移管等調書 62 国外財産調書 63 財産債務調書

(注 1 ) 個人が支払を受ける利子等・配当等で源泉分離課税の対象となるものは、支払調書の提出は不要。 (注 2 ) 上記27、34、35の支払調書は、平成28年 1 月 1 日以後、上記12の支払調書に統合【平成25年度改正】。 (注 3 ) 平成30年 1 月 1 日以後に変更の効力が生じる場合について適用【平成27年度改正】。

 上記の税制改正の詳細について、国税通則法等 の国税通則関係は以下で述べることとし、各税目 に関する改正の詳細については、各税法の解説の 項をご参照ください。

2  国税通則法の改正(番号整備法11、

12)

⑴ 改正前の制度の概要

 国税に関する法律に基づき税務署長等に提出 する各種書類については、その共通的記載事項 である提出者の氏名及び住所等を記載しなけれ ばならないこととされています(旧通法124①)。

⑵ 改正の内容

 マイナンバー制度の導入を踏まえ、税務署長 等に提出する各種書類に、提出者の氏名や住所 等のほか、個人番号(法人については法人番 号)を記載しなければならないこととされまし た。なお、番号を有しない者については、従前 どおり、氏名及び住所等を記載しなければなら ないこととされています。また、税務署長等に 提出する各種書類の内容をより明確化するため、 番号を記載すべき書類の例示に、調書が追加さ れています(通法124①)。

⑶ 適用関係

 納税申告書については、平成28年 1 月 1 日以 後に課税期間が開始する国税に係る納税申告書 について適用し、同日前に課税期間が開始した 納税申告書については、従前どおりとされてい ます。なお、課税期間のない国税に係る納税申 告書については、同日以後にその納税義務が成 立する国税に係る納税申告書について適用し、 同日前にその納税義務が成立した納税申告書に ついては、従前どおりとされています(番号整 備法12①)。

(17)

3  国税通則関係の申請書・届出書等の改

⑴ 改正の内容

 マイナンバー制度の導入を踏まえ、次の申請 書・届出書等について、それぞれ定める者につ き氏名や住所等のほかに個人番号(法人につい ては法人番号)を記載しなければならないこと とされました。

・ 相続人の代表者指定届出書(通令 4 ②二・ 三):各相続人及び相続人の代表者

・ 納付受託者の指定申出書(通規 4 ①):そ の指定を受けようとする者

・ 納税証明書交付請求書(通規別紙第 8 号書 式):その交付を受けようとする者

・ 国税関係帳簿書類の電磁的記録等による保

存等の承認申請書・取りやめ届出書・変更届 出書(電子帳簿保存規則 5 ①一、 6 ①一・② 一):その承認を受けようとする者

・ 電子申告・納税等開始(変更等)届出書、 ダイレクト納付利用届出書(国税オンライン 化省令 4 ①一、④一):電子申告・納付等を 行おうとする者

⑵ 適用関係

参照

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